October 2013

コマーシャルで曲が使われたらiTunesで1万回ダウンロードされた

この記事は、2013年8月15日にCD Baby DIY Musician Blogに掲載された記事、How A Song In A Commercial Drove Over 10,000 iTunes Downloadsの翻訳です。

[この記事は、ゲスト寄稿者、
Andy Lykensによって投稿されたものです。]

多くのミュージシャンは、楽曲の同期ライセンスが、即座に売り上げが上がる上に、多くの視聴者に露出し、また繰り返し演奏権の使用料を受け取ることができる素晴しい方法であることを知っているでしょう。しかし、実際に楽曲がコマーシャルにライセンスされるとき、裏側では何が起きているか知っている人は少ないでしょう。

楽曲の同期ライセンスって何?


この答えをご存知でない場合は、
楽曲の同期ライセンスとは、あなたの楽曲および音源が、TV番組、ビデオゲーム、コマーシャルのBGMなどに使用される、あるいは他のあらゆる種類の動画メディアで利用されるということ、と理解しておいてください。

楽曲の同期ライセンスがなぜ重要か?


あなたの楽曲が使われるとき、その使用料は前払いされます。また、テレビで放送される度に演奏権使用料が発生します(
ASCAP、BMI、あるいはSESACなどの演奏権管理団体によって徴収および分配されます)。

もう一つの大きなメリットは、あなたの楽曲が、あなたのことをまだ知らない人達を含めた膨大な数の視聴者に露出するということです。ここまで理解していただいたところで、コマーシャルで使われた私の楽曲が、多くの新たなリスナを獲得した体験談をしましょう。

私の仕事は、コマーシャルで使われるように楽曲を売り込むことです。これは、色々な方法で実現されます:広告代理店、プロデューサ、そしてミュージックプロデューサなどの既存の顧客に対して新曲を送るだけのこともあります。あるいは、人々をイベントに招待したり、特定のコマーシャルが必要とする条件について直接やり取りすることも多いです。

今回は、広告代理店からイメージの説明を受け、そのスポットに合いそうな楽曲のアイデアをまとめるように要請されました。

こういう説明には、ストリーボード、ラフカット、あるいは単純な脚本などがあります。今回は、家でイチャイチャするカップルに関する、脚本に画像が添付されたPDFファイル状態のストリーボードを受け取りました。これは、Trojan(米国のメーカ)の新製品の広告でした。

こうした要望に適切に応えるカギは、以下を実現するための十分な知識を持っていることです:

  • 彼らが言っていることを音楽的なアイデアに翻訳できる。
  • 選択対象となる楽曲のカタログを熟知している。
  • 広告で効果を発揮する一般的な音楽的なルールを把握している。

私の頭には、「スモーキー」と「猥褻」という単語がこびりついていました。私は、ラッキーにも膨大な楽曲のカタログが扱えます。その多くは、スタンダードあるいはクラシックと呼べるような楽曲です。こういう楽曲は、ライセンスしやすいのですが、同時に古くさくもあるため、創造的な要望には応えられません。

そのため、レーベルと協力したり、社内の制作チームを使って、スタンダードな楽曲の新しいバージョンを作ることがよくあります。こうした改変は、楽曲を全く新しい曲として録り直すことを意味します。この新しいバージョンは、歌詞にも新しい意味を与えることがあります。そして運良く、エルビスのクラシック楽曲「All Shook Up(恋にしびれて)」の新しい録音がカタログにあったのです。

この「All Shook Up」の新しいバージョンをはじめて聴いた時には、ライセンスされる可能性は低いと思ったんです。コマーシャルで効果を発揮する種類の曲とは正反対のスローでダークな曲だったからです。ところが、顧客からの要望を見ると、これがバッチリだと思われました。

代理店も同じ考えで、24時間以内には、この曲のライセンスが決まりました。必要なすべての承認や
ライセンス条件の交渉は言うまでもなく、決定に創造的な判断を必要とする契約にしては、超高速の決定です。

ライセンスの結果、何が起きたか?


楽曲のライセンス料金が支払われたのは当然ですが、続いて急激なダウンロード販売の増加を目の当たりにしました。スポットの放送が4月に始まり、その後の数週間、
iTunes Top 200 singer-songwriter chartの常連となりました。まず、157位でチャートに初登場したと思います。コマーシャル放送が繰り返されるに連れてチャートを上昇し、42位に達し、ある日10位になりました(その後、5ヶ月経っても18位にとどまっていました)!

これは、
楽曲の原盤所有者にとっても、嬉しい驚きでした。コマーシャル放送の影響で、当初の6週間に1万ダウンロードされたのです。これは、大きな収入と、結果としてアーティストにとっての新たなファン獲得を意味します。このコマーシャルは、1年間放送される予定です

これがDIYミュージシャンに何かを意味するか?


  1. あなたが書いた曲が「All Shook Up」ではないにしても、コマーシャルに自分の楽曲を売り込んだり、誰かに売り込みを頼むことで、同様の成功が見込めるかも知れません。なにしろ音楽が使われていないTV番組やコマーシャルなんて存在しないのですから。この「All Shook Up」の1割の成功でも見込めれば、あなたの楽曲が1,000ダウンロードされるということなんです。
  2. アーティストが大好きな楽曲を上手にカバーしたときのパワーを侮ってはいけません。私の個人的な考えですが、オリジナル曲を何百と書き、自分自身のサウンドを確立しているなら、大好きな曲を自分のスタイルで何曲かカバーして新しいアルバムに入れるのはよいアイデアです。もちろん、その曲を使うために必要なすべての許可が必要ですが、それには、メカニカルライセンスを取得すればよいだけです(場合によっては、曲の音楽出版社と直接交渉することも可能かも知れません)。

カバー曲を録音して完成したら、その曲の音楽出版社に送ってみるのも良いでしょう。すでにお分かりのように、顧客が何を求めているかを予測することはできないのですから、我々の楽曲の出来が良いカバーバージョンとの出会いは、大歓迎です。

あなたのカバー曲が、TV、映画、コマーシャル、あるいはビデオゲームで使われることを考えたことがありますか? iTunesで1万ダウンロードされることが、あなたのミュージシャンとしてのキャリアに特別な意味を持つでしょうか? 「
All Shook Up」のこのバージョンはお好きですか?

著者について:Andy Lykens氏は、音楽ライセンスと音楽斡旋のエキスパートです。Google、Monster.com、Torojan、そしてAppleのコマーシャルに音楽を提供すると共に、Bose、Kohler、およびAmerican Airlinesのブランドプロジェクトにも参加しています。音楽ライセンス、売り込み、そしてブランディングに関する更なる詳細については、
andylykens.comを参照してください。

あなたの曲が映画、TV、あるいはコマーシャルにライセンスされた際の使用料の仕組みについて知りたいですか? 無料のPDFガイド(英語)をご用意しました。

YouTubeで売り上げを上げる

この記事は、2013年8月6日にCD Baby DIY Musician Blogに掲載された記事、How Musicians Make Money from YouTubeの翻訳です。

By
Chris Robley

Brian Botkiller氏によれば、今やYouTubeが「世界のジュークボックス」と呼ばれているそうです。オンラインで新たな音楽と出会うための、最も広く認知されたツールというわけです。毎月、10億人の人々が60億時間のビデオをストリーミング再生しています。そして、その多くが音楽です。

こうしたYouTube上の活動が、インディミュージシャンの新たな収入源となっています。

あなたの音楽は、YouTubeで聴けますか? 聴ける? それは、すばらしい!

でも、YouTubeで売り上げは上がっていますか? 上がってない? もったいないですね。では、
CD Babyが助けになるかも知れません。CD Babyでは、YouTubeビデオで音楽が使われた登録アーティストに対し、すでに約5千万円をお支払いしているのです。

多くのインディミュージシャンは、YouTubeで楽曲から「売り上げ」を上げられることを知りません。YouTubeは、アーティスト自身が、その楽曲から売り上げを上げる方法を提供していませんから、当然と言えば当然でしょう。

ご存知でしょうが、YouTubeチャンネルを作成して、自分のビデオから売り上げを上げることは可能です。でも、その楽曲から売り上げが上がることはありません。その違いを理解することは大事です(詳細は、後述します)。


YouTubeがミュージシャンに支払う売り上げとは、何の「売り上げ」なのでしょうか?


答は簡単:広告収入です。YouTubeは、結局のところGoogleの一部なんです。

バナー広告、ビデオ広告、5秒経つとスキップできる広告やスキップできない広告などですね。YouTubeは、Googleの機能を利用し、ユーザの過去の検索履歴、ウェブ閲覧履歴、視聴傾向、場所、そして考えるのもおぞましいその他の様々なデータを参考に、特定の視聴者が最も反応しそうな広告を表示します。ちなみに、その仕組みは、Googleだけが知っています。

ちょっと脱線してしまいました。いずれにしろ、企業は、こうした標的型の広告を利用するためにYouTubeにお金を払っています。場合によっては1クリック毎に、場合によっては1表示毎に、場合によってビデオ広告の1再生毎にです。そしてYouTubeは、この売り上げの一部を、広告が表示されたビデオをアップロードしたユーザ、つまりコンテンツの作者と分配します。

簡単に言えば、その楽曲が使用されたビデオに対してYouTubeが広告を表示することにより、ミュージシャンにYouTubeから売り上げが上がります。


YouTubeでビデオから売り上げを上げることと、YouTubeで楽曲から売り上げを上げることは、違います。

さて、上に書いた内容は、YouTubeをよく使っているミュージシャンなら、すでにご承知でしょう。しかし、多くのミュージシャンが知らないことがあります。それは、自分のチャンネル内のビデオだけでなく、自分の楽曲が使われたすべてのYouTubeビデオからも売り上げを上げることができる、ということです。そして、それをCD Babyが実現します

その仕組みは、こんな感じです。誰かの走り回る猫のビデオであなたの曲が使われると、YouTubeはその曲を特定します。そして、そのビデオに広告が表示されると、その広告収入の一部が「あなた」に分配されるのです。そうです。どこかの誰かがあなたの楽曲をYouTubeビデオで使うだけで、ビデオの広告収入の一部があなたに支払われるのです。


自分以外に、YouTubeで自分の楽曲を使う人なんているのでしょうか?


はい、いっぱいいます。そして、より多くの人がYouTubeビデオであなたの曲を使えば、あなたの売り上げが増えるのです。あなたの楽曲が他人のYouTubeビデオコンテンツで使われるいくつかの例を挙げましょう:

  • ファンによるビデオ(あなたのファンによるビデオ制作コンテストなどを行って奨励できます)
  • 走り回る猫のビデオ(あるいは、サウンドトラックを必要とする他のホームビデオや家族のスライドショー)
  • 企業のプレゼンテーションやハウツービデオ
  • コマーシャル
  • 楽曲のビデオ(誰かがあなたの楽曲にアルバムジャケットやバンドの写真などを付けてアップロードしたビデオ)
  • その他


YouTubeで使われた楽曲の売り上げを受け取る


CD Babyの使命は、アーティストが売り上げを上げる手伝いをすることです。ミュージックビジネスが、技術革新と無縁でいられなくなった今、インディミュージシャンも乗り遅れてはいけません。そこで、皆さんが
YouTubeで楽曲から売り上げを上げるためのソリューションを用意しました。

すべての登録アーティストがYouTubeからの売り上げを取りこぼさないように、YouTubeで売り上げを上げるためのオプションを無料にしました(アルバムあるいはシングルの登録料以外にオプション料金は不要です)。

CD BabyとRumblefishが提携したこの同期ライセンスのオプションを使えば、あなたがCD Babyで販売しているすべての楽曲の音響的特徴がYouTubeによって特定され、YouTube上でその楽曲が使われたすべてのビデオが独自のIDシステムで検出されます。YouTubeがそのビデオに広告を表示したことによって売り上げがたてば、その一部を回収してアーティストにお支払いします。CD Babyでは、YouTubeで楽曲が使用されたインディアーティストに、すでに約5千万円をお支払いしています。2013年末までには、この金額が1億円を超えると予想しています。あなたもすでに売り上げを受け取ってますか?

YouTubeから楽曲の売り上げを受け取りましょう

YouTubeで売り上げを上げる方法に関する詳細について、無料のPDFガイド(英語)を用意したので、よろしければ
ダウンロードしてください。