ミュージックのマーケティングでSNSは死んだと言われる一方で電子メールが有効な理由

この記事は、2016年4月8日にCD Baby DIY Musician Blogに掲載された記事、”Why social media is DEAD for music marketing (and why email works)”の翻訳です。画像は、日本語版用に差し替えてあります。

By Guest Blogger

Pasted Graphic

Facebookが生まれてから12年も経ったなんて、信じられますか? 好むと好まざるに関わらず、ソーシャルネットワークは今後も存在し続けるでしょう。一所懸命に増やしたフォロワーにリーチ出来る素晴らしいプラットフォームを使い続けられるのですから、マーケッター、ミュージシャン、そして起業家にとっては良いことです。そうですよね?

しかし無料のリーチには厳しい現実が待っています。


Facebookで何が起きているかいつも注意しているなら、最近になってビジネスおよびプロフィールページのルールが変更されたことに気づいているでしょう。今や皆さんは選択を迫られているのです。その選択肢とは、膨大なフォロワーのほんの一部にしかリーチしないけれど無料で使い続けるか、さらなる露出のためにお金を払うかです。

例えば、音響もライティングもバッチリ調整し、素晴らしいビデオや写真を撮影して編集し、修正し、ファンに自信を持って見てもらう準備が整ったので、格好良いタイトルでアップロードしたとします。あとは、いいね!やシェアやコメントが続々と付くことを期待しますが、いつまで経っても反応がありません。反応があったとしても期待したほどの数ではありません。そこまでやって、
Facebookからの「お金を払えばもっとリーチしますよ」というメッセージを読んで、 自分がカモにされていることを知るのです。

このように無料でソーシャルネットワークに投稿し続けるのは、コンサートを開催して素晴らしい楽曲を最高のパフォーマンスで演奏したのに、会場はガラガラで、音も満足に鳴っておらず、最前列にしか人がいない状態と似ています。

じゃぁ、どうしたら良いんでしょう?

ファンにリーチするためにFacebookにお金を払うのも一つの手です。無料の宣伝なんてありえないのですから、ソーシャルネットワークだって同じはずで、それはそれで素晴らしいことなのです。でも、もっと良い方法がありますよ。成功しているアーティストの多くがすでに利用しているツールです — それこそが電子メールマーケティングです。

驚きました? 電子メールを使ったマーケティングなんて前時代の話だと思ってませんでしたか? ある種の研究によれば、電子メールマーケティングはFacebookとTwitterを合わせたより40倍も効果的だそうです。おっ、良いこと聞いたぞ、今すぐその事実をツイートしましょう! でも、Twitterの宣伝効果がそんなに薄いんじゃ、時間の無駄だからやめた方が無難ですね。以下では、ソーシャルネットワークと電子メールマーケティングに関する統計情報をご紹介します

ソーシャルネットワーク 対 電子メールマーケティング

誤解しないで欲しいのですが、ソーシャルネットワークは便利ですから、アーティストやビジネスでは必ず使うべきです。新鮮な情報を投稿してフォロワーを増やす努力を怠らないでください。でもマーケティングのためには、ソーシャルネットワークだけでは不足なのです。売り上げを伸ばすために電子メールを使いましょう。

ファンは電子メールマーケティングをどう思っているのでしょう?

ExactTargetの調査では、消費者の77%が他の広告媒体よりも、事前に許可したマーケティングコミュニケーションを電子メールで受け取ることを好むとしています。

電子メールマーケティングの費用対効果はどのようなものでしょう?


電子メールマーケティングでは、$1の出費に対して平均$44.25のリターンがあるそうです。

読み間違いじゃありませんよ。電子メールマーケティングに1ドルかけると、平均で$44の売り上げが上がるってことです。ソーシャルネットワークとは、もう比較にならないくらい大きなリターンです!

電子メールマーケティングでファンにリーチする割合はどれくらいでしょう?


消費者の91%は、毎日電子メールを利用しています。ファンに電子メールがリーチする確率は、非常に高いと考えて良いでしょう。

本当に効果があるの?

電子メールマーケティングで本当に効果が上がるのか疑問をお持ちですか? 統計によれば、電子メールで宣伝を受け取る消費者は、受け取らない消費者よりも138%多く支出しているそうです。

まだまだ続けられますが、もういいでしょう? ファンにリーチする手段としては、電子メールマーケティングがソーシャルネットワークよりも優れていることは、明白ですね。

電子メールマーケティングが強固なファンベースを生み出す


どこから始めれば良いのか分からないですか? まだファンの電子メールアドレスのリストを持っていないのなら、そこから始めてください!

でも、どうやって電子メールアドレスを集めるのでしょうか?


簡単ですよ。SoundCloudなんかで曲を自由にダウンロードさせるのでなく、電子メールアドレスを教えてくれたファンだけが無料ダウンロードできるようにするのです。DropTrackFanBridge、ReverbNationなど、この手順を自動化するツールはいっぱいあります。注意しなければいけないのは、単に電子メールアドレスを集めるのでなく、必ず無料ダウンロードや販促用コンテンツ、あるいはコンサートのチケットなど対価を用意してください。

これで、次の新曲をリリースするタイミングになったら、そうしたファンの電子メールアドレス宛に電子メールを送ることができます!


なんでも自分でコントロールすることが重要です。


ソーシャルネットワークと異なり、電子メールマーケティングではデータはあなたの手許にあります。すべてをあなた自身でコントロールできます。その意味は重要です。Blue Hornetによれば、そこにチャンスが生まれるのです。消費者の72%は特価販売を期待して電子メールリストに登録しているわけですから、期待されているものを提供すれば良いのです。期待通りのサービスを申し出れば、拒否される確率は低いでしょう。電子メールによる宣伝から購入される確率は、ソーシャルネットワークの宣伝の3倍もあり、消費者はブランドとのコミュニケーションには電子メールを好む傾向にあることが分かっています。

ファンが期待するものを提供してください: それが電子メールによる販促コンテンツです。

電子メールアドレスを教えてくれるということは、お返しに何かを期待しているということです。ソーシャルネットワークと比べ、電子メールのユーザは宣伝に対して寛容です。ソーシャルネットワークにログインしている時、多くの人は友人や家族とのコミュニケーションを楽しんでいるか、投稿やおもしろネタを流し読みしています。一方で電子メールの場合は、ユーザはお得情報を探していたり、仕事のことを考えていたり、人間関係にあまり関係のないやりとりを行っています。ソーシャルネットワークでの宣伝には、越えられない壁があるのです。特にFacebookで無料の投稿のリーチが制限されていることを考えれば、答えは明白です: 今こそ、電子メールマーケティングのコツをつかみ、より重要で効果的なつながりを構築する時が来たのです。



About Paul Loeb: Paul Loeb has been at the intersection of music and tech for 20 years. He is founder and CEO of No Ego Records and DropTrack and a prolific producer currently operating under the name Really Cute Cats. His goal has always been to give musicians like himself the tools to stand out from the rest, get heard, and get deals.

About Drop Track: DropTrack is music marketing software that helps artists manage their relationships with music industry contacts and provides a complete toolset for sharing and marketing digital music. DropTrack offers a selection of tools for music producers and record labels, including a platform for uploading and storing music, then accessing it from anywhere. DropTrack’s customer management system, download gate, shortlink URLS to playlists, and other features make creating successful marketing campaigns simple and precise. Instantaneous feedback and analytics complement branding tools to promote music in a more personal and professional way.

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